東京オカザキッチン : 【recipe】常夜鍋／【movie】佐々木、イン、マイマイン

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いやーーー、やられたー！！！
やられたなーー！！

たまにこういうノーマーク名画に出会えるから映画巡りはやめられねえー！！

【佐々木、イン、マイマイン】　2020　日本

20代後半になり、売れない俳優生活と別れた彼女との同棲を漫然と続ける主人公が、高校時代の友人に偶然再会するところから物語は始まります。思い出話の中に出てきたのは、当時仲間たちの中心にいた盛り上げ上手な「佐々木」という少年。彼のことを思い出し過去と現在が交錯していく中で、自身の歩みを改めて進めていくという、ひりついた青春映画です。

とにかくひとつひとつのカットと音楽がたまらなく良く、綺麗で印象的なシーンがいくつもあります。全体としては起伏は少なめなのですが、青春を題材にした映画はあまり起伏を作らずこれくらいの方がリアリティがあってハマると思っています。

出ている俳優たちも素晴らしく、特にダブル主人公である悠二と佐々木の２人の陰と陽を使い分ける演技はかなり抉るものがあります。

佐々木は、所かまわず全裸になり皆を盛り上げる道化師役なのですが、その本質は文字通りの道化師で彼自身は家庭環境にかなり大きな影を抱えており、高校生当時の若い主人公たちはそれをカバーできるところまでは至りません。

ガキだったあの頃の自分たちは、佐々木に多く救われていたはずなのに、自分たちは結局佐々木を救い切れなかったという負い目が作るラストシーンはかなり揺さぶられるものがあり、見ている者を強く強く惹きつけます。主人公が歩みを進めるきっかけとなる舞台演劇の台詞と相まり、このラストの一連の数十分はかなり胸に来るものがありましたね。

ポスターが何枚かあるんですが、どれもめちゃくちゃいいんですよね。