東京オカザキッチン : 【recipe】いぶりがっこクリチー／【movie】ミッドナイトスワン

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【ミッドナイトスワン】　2020　日本

新宿の片隅のニューハーフショーパブで働く主人公と、そこに預けられた育児放棄をされた親戚の少女との暮らしを通して、親子の在り方や、生き方の姿勢を問う意欲作です。

事前評価が凄まじく高く、ジャニヲタ票で評価の操作がされているのでは？という疑念があったのですが、公開後しばらくしても評価が下がらなかったので、これは本当に良さそうだと思って見に行ってきました。

感想としては、今年の何かしらの映画賞を取りそう、そして草なぎ君の俳優キャリアでの代表作の一角になりそうですね。

トランスジェンダーという難しい役どころだと思うのですが、社会の狭間でしか生きられない悲哀や、段々と少女に対して愛情を示していく過程は◎。特に、ストーリーの途中で、彼女のために定職につこうと髪を切るシーンがあるのですが、見た目はいつもの草なぎなのに中身は女性というリアルさは見事なもんでした。

また、バレエが本作の重要な舞台装置になっているのですが、もともとバレエの高いキャリアを持つ主役の新人の子の瑞々しさ、たたずまいが非常に映えていました。

もうひとつ、前衛音楽家である渋谷慶一郎が音楽を担当しているのですが、メインテーマになっている曲が素晴らしい。全編にわたってこの曲が要所に使われているのですが、これも映画の質を押し上げていると感じます。

しかしエンドロールで「田口トモロヲ」の名前を見て、「え？出てたっけ？公園で話しかけてきたおじいさんか？年取ったな」と思っていたら、まさかショーパブのママの役だったとは笑。芸達者ですね。