さて、インド最北部、チベット文化圏のラダック編お送りしております。
ひとえにラダックといっても実はかなり広く、また交通インフラが全然整っておりませんため、レーの町からラダックの奥地ザンスカールに向けて何日もかけて旅をするということも出来るんですが、ご存知のとおり僕は日本のハイパーサラリーシャチクなので持ち時間はせいぜい1週間~10日程度。
そこで、レーとその周囲の寺院をのんびりと巡る旅を考えていたのですが、村へのホームステイをマユちゃんにすすめられたので、それに乗っかることにしました。
ちなみにマユちゃんというのは、その辺のキャバクラで知り合ったお嬢ではなく、南米で知り合った旅友達です。彼女は大変なミニマリストでありオーガニックガールなのですが、僕以上にチベットカルチャーに魅了されており、日本とラダックを繋ぐNPO法人に勤務、いわば、ラダックスタディツアーのプロなのです。
というわけで、ラダックでのホームステイをアレンジしてもらい、僕は本日サクティという村に向かい3日間滞在します。そこで何をするかは何も聞いていないので正直よくわかっていないのですが、まぁ行けばなんとかなるでしょう。
朝、宿の外庭でボーッと鼻をほじっていると、サクティ村に連れて行ってくれるガイドさんらしきお姉さんが現れました。言われるがままに車に乗り、レーの町を出ること2~3時間程で到着します。割合近いですね。
しかし、近いとはいえ山々を数時間抜けていくわけで、到着してみるとそこは見事なまでのチベタンスローライフ。ただでさえスローライフなのに、もうここはベリースローライフ。レー周辺のどこまでも茶けた岩山と比べて、家畜を放牧させるだけの必要最小限の草が生えているあたり、少し雰囲気が違いますね。小さいながら川も流れており、このあたりでは割と恵まれている土地なのかもしれません。チベタンロハスライフを堪能したい方は、是非サクティ村へ。(誰も行かない)



なかなかいいお家ですね。
ちなみにトイレは外の土の中です。風呂的なのは無さそうだったから、どっかに水浴び場みたいのがあるのかもしれません。
おうちに到着すると早速バター茶をいただきます。
キタわぁ……バター茶。
バター茶というのは、ヤクのバター、茶葉、塩を撹拌させてお湯で伸ばした飲み物のことで、チベタンのソウルドリンク。日本人でいう「緑茶」くらいの位置付けになるソウルドリンクです。正直安定の不味さ。
しかもチベタン親切だから、飲み終わるとすぐ注いでくれて、日本人は日本人でおもてなしは受け取らないとな…といった気質だから、飲んでは注がれ、みたいな相性がいいのか悪いのかわからない負のスパイラルに入ります。
これはバター茶を作っているところ。
「ドンモ」というこの器具でグッチャグッチャやって作ります。


しかし……結構な大家族のようなのですが、どこからどこまでが家族でどこまでが親戚や近所の人なのかまるでわかりません笑。そして言葉が一切通じません。でもなんとなく言いたいことはお互い雰囲気でわかります。もちろん言葉がわかるに越したことはありませんが、しっかり意思があればそれなりの疎通は取れるんですよね。
お茶を飲んでいると、外に出ろと言われました。
外に出ると、畑に来いと言われました。
畑に行くと、ここにある藁を運べと言われました。
……え??

めっちゃたくさんおる。



でっかい農作業機から藁がガンガン吐き出されてくるのですが、それをまとめて指定された場所に延々と運ぶ作業。軽い気持ちでやってきて茶の一杯でも飲んでいた僕に、「さあでは働けよ!」といきなりの洗礼です笑。
そ、そうだよな…… 俺は何を勘違いしていたんだろうか。
ダラダラ部屋でYouTube見てグラビア雑誌見て寝っ転がっていればいいと思っていたわけでは、勿論ない。
働かざる者、食うべからず!
実にシンプルです。
実にシンプルです。

しかしこの藁、何に使うんですかね。
燃料だったり家の保温材だったり、家畜の飼料だったりもするんですかね。
よっしゃー! とばかりにガンガン詰めては運びますが、かなりの重労働。一本一本は細くて柔らかい藁ですが、大量にまとまると本当に重くて重労働。
しかし身体を使う単純作業ではありますが、普段摩天楼都市東京で神経すり減らしている僕からすると、たまには家族総出で行うこんな農作業というのも悪くありません。

日本ですと親の厚い庇護に守られているような小さい子供も、ガンガン同じように働かされています。そう、働かざる者食うべからずだ!


日本ですと親の厚い庇護に守られているような小さい子供も、ガンガン同じように働かされています。そう、働かざる者食うべからずだ!

時々入る休憩がありがたい!
紅茶とお菓子。
日も傾いてきた頃、今日はここまでにしようかということで作業終了。
日没とともに作業が終了するあたりも実に人間的で素晴らしいですね。
そして夜――、部屋から見た星空が、凄かったんです。
あ、今流れ星見えた??……なんてレベルじゃない。流れ星なんて当たり前のようにビュンビュン飛び交っており、あまりの空の近さと星の多さから、星空がとぐろを巻いてうねり動いているように錯覚して見えたほどです。日本でも高原地帯に行くと夜空が綺麗ですが、ここは高原どころか4000m級の土地の、しかも周囲に全く灯りのない、そんな世界。今まで見てきた星空というものが全て星空と呼べるものではなかったと思わされるほどの星々の饗宴がそこにありました。
惜しむらくは写真がないこと。
まぁでも心に刻んでいるんだ。


これはサクティから下りてきたレーで、マユちゃんに夜空を撮る時の設定方法を聞いて撮った写真ですが、これでも十分凄いですよね。
凄いところに来ているんだぜ!
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私生活強め。
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普段とは違う僕が見れるかもしれません笑。
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私の台所が激しくひん剥かれています。是非!
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